乾燥剤じゃない!韓国発の最狂バンド「Silica Gel」の最新曲『BIG VOID』がクールすぎる

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「シリカゲル」

その名前を聞いて、多くの人が思い浮かべるのは小さな白い袋に入った乾燥剤じゃないでしょうか?

でも今の音楽ファンにとって、その言葉は今、世界で最もクールな音楽を意味する記号へと変わりつつあります。

韓国のインディーズシーンから突如として現れ、圧倒的なサイケデリック・サウンドで観衆を飲み込み続ける4人組バンド、Silica Gel(シリカゲル)。

最新曲『BIG VOID』を聴いた時衝撃を受けました。

一度聴けば、あなたのプレイリストにも追加されることと思います。

本記事では、最も目が離せない彼らの魅力に迫っていきます。

Silica Gelってどんなバンド?「乾燥剤」から「怪物」へ

まずはこの音を聴いてみてください。

名前の由来 30秒の奇跡が生んだバンド名?!

彼らの名前の由来ですが、2013年の平昌ビエンナーレ出演を前に
ふと手元にあったガムの容器の中のシリカゲル(乾燥剤)が目に留まり
それがそのまま、今や世界を熱狂させるバンドの名前になりました。

巷では『30秒で決めた』といった冗談のような逸話も語られるほどですが
そんな無造作な誕生秘話すら、彼らの型にはまらない自由な音楽性を象徴しているようで面白いですよね。

メンバーと音楽ジャンルは?

キム・ハンジュ(Vo/Key): 楽曲制作の核。変幻自在なボーカル。

キム・チュンチュ(Gt/Vo): ギターヒーロー的な圧倒的旋律。

キム・ゴンジェ(Dr): 緻密かつパワフルなリズムの要。

チェ・ウンヒ(Ba): グルーヴを支える低音の魔術師。


サイケデリック・ポストロック・ドリームポップを混ぜ合わせ
シリカゲルという独自のジャンルを確立している点。

最新曲『BIG VOID』の何がそんなに「COOL」なの?

ピアノのリフが導く「疾走感」と「不穏さ」

これまでの金属的な音作りから一変、軽やかなのにどこか冷たいピアノの音が印象的で
どこか懐かしい響きを感じさせます。

VOID(虚無)を歌いながら、魂が震える逆説

和訳

犬たちが狼へと変わり
死肉に噛みつくとき
自分でいられない世界で
涙が軍勢のように零れ落ちる

空への頌歌
翼ある旋律
かつて追放した言葉たちを
次の生へ運ぶために
まだ待っている

みんな虚無へ(uh)
逆回りする時計
わかるだろ? 彼女は無実だ(uh)
それは俺たちの選択だ

みんな虚無へ(uh)
冬が溶け 光へと滴り落ちたあと
空はない

火花が炎になるとき
原初の民がひとつとなって立ち上がる
自分でいられない世界で
脳は光を吸い込む

イェ イェ イェ
わかるだろ? 俺は無実だ(uh)

みんな虚無へ(uh)
冬が溶け 光へと滴り落ちたあと
空はない

この曲の核心は、

「自分でいられない世界において、個と社会が“虚無(void)”へ向かっていく不可逆の流れ」


ただしこの“虚無”は完全な絶望ではなく、破壊と再生の境界として描かれています。
歌詞のテーマは重いですが、サウンドは突き抜けるような解放感があります。

THE FIRST TAKEで見せた「本物」の演奏力

THE FIRST TAKEのSilica Gelは、単に上手い演奏を見せたのではなく、
このバンドは本物だと一瞬で理解させてくれます。

THE FIRST TAKEは演奏力と精神力の両方が剥き出しになる設定ですが
Silica Gelはここで整えた完成形ではない生きているアンサンブルを
魅せてくれました。

まず驚かされるのがバンド全体の呼吸で

  • ドラムはクリック的に正確なのに機械的でない
  • ベースは前に出ないのに、音楽の重心を完全に支配
  • ギターは主張するが、決して歌を邪魔しないなど

全員が自分の音量ではなく、音楽の温度で演奏しています。

一発撮りでこれができるのは、リハの量と相互理解
そしてなにより信用がなければ不可能です。

映像と音の融合。視覚でも「酔う」クリエイティブ

Silica GelのMVは、いわゆる曲を売るためのプロモーション映像の枠を明確に超えています。

MV監督宋基浩(Song Kiho)が創り出す3つの特徴とは?

① MVのクオリティが異常に高い

監督Song Kihoとの強力タッグ

ブラウザーをアップデートしてください

MV=作品世界の一部

曲単体では完結せず、音・歌詞・映像が
三位一体で初めて意味を持っていて
1本の短編映画、あるいは現代美術作品のような構造により
Silica Gelの音楽が持つ「不安定さ」「虚無」「存在の揺らぎ」を、
説明せずに“体験させる”映像言語で提示します。

物語より“感覚

Song Kihoの演出と、Silica Gelの抽象性の高い音楽性が完全に噛み合っているため
明確なストーリーはありませんが、理解より先に感覚と感情が侵食され
見終わった後に強烈な余韻が残ります。

② 「映像のバンド」では終わらない理由

ライブで証明される“本物のスケール”

Silica Gelが異常なのは、MVで作り上げた世界観を、そのままライブで再現・拡張できることです。

● 韓国国内での大規模動員

Silica Gelはインディーズ出身ながら大規模会場を埋める動員力を持つバンドへと成長しました。

重要なのは人数そのものよりも、抽象的で難解な音楽が
視覚演出と融合することで“集団体験”になるという点です。

● 光と音のサイケデリックな融合

ライブでは、楽曲構成と完全に同期した照明や
色温度・明暗・点滅まで計算された光と音圧ではなく“空間”を支配する
サウンドにより観客は「見る」「聴く」を超えて、空間に飲み込まれます。

③ MVとライブは別物ではない

Silica Gelにおいては

  • MV → 世界観の設計図
  • ライブ → その設計図を現実空間に展開したもの

という関係性があります。

多くのバンドがMVは映像班・ライブは音楽班と分断される中で、Silica Gelは
最初から“総合芸術”として音楽を作っています。

まとめ

日本でおなじみのK-POPとは一線を画すSilica Gelは、
「音楽が上手い」「映像がすごい」という次元をすでに超え、
音・映像・空間をひとつの体験として成立させる段階に入ったバンドです。

THE FIRST TAKEで示した一発撮りの説得力やMVで見せる
短編映画のような没入感。

そしてライブで現実空間そのものを変質させるスケール感。

これらは偶然ではなく、長年積み上げてきた表現が、いま一気に可視化されている結果
だと思います。

日本でも、メディア露出やフジロックなどライブの機会が徐々に増え、
今後さらに存在感を強めていくことが予想されますので
この機会に「あとで知る」のではなく、今から深く触れませんか?

まず聴いてほしい2曲

NO PAIN

Silica Gelの名を広く知らしめた代表曲。
暴力的ですらあるエネルギーと、緻密に制御された構造が同居する一曲で、
このバンドの異常さと完成度を一発で理解できるでしょう。

T + Tik Tak Tok

狂気的なギターソロと緊張感の持続が印象的な楽曲。
理性と衝動の境界が崩れていく感覚は、
Silica Gelの危うい美しさを体感するのに最適です。

最後に

次に「シリカゲル」という言葉を聞いたとき、
あなたの頭に浮かぶのは、もう乾燥剤ではないはずです。

それは、虚無と光のあいだで鳴り続ける
この時代の音楽そのものになっているでしょう。

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